クラシック音楽には名曲と言われるものが数多くありますが、せっかくの名曲もつまらない演奏では何も感動を与えません。一方、聴衆と感動を共有した演奏や、技術的に卓越した演奏、新鮮な解釈に根ざした演奏などは、作曲家の意図以上に作品を昇華させていると思います。

2013年8月より、ユーチューブ動画を積極的に取り入れています。一流の素敵な演奏を無料で聴けてしまいますし、何より、実演を見ることができるので、オペラやバレエなどは最高の環境で楽しむことができます。ただ、その場合、なるべく良い音響環境で聴いてほしいものですね。

★シュッツ
クライネ・ガイストリッヒ・コンチェルト
マウエルスベルガー〜5聖十字架合唱団児童他(演奏年不明 archiv)
シュッツはバロック初期の人なので、その作品といえばもっぱらキリスト教音楽です。この作品についてはこの盤しか聴いたことありませんが、この演奏は聴く者にとてもすがすがしさを与えてくれます。
クリスマス・オラトリオ「イエス・キリスト降誕の物語」
スワロフスキー〜ウィーン国立歌劇場管、同合唱団他(演奏年不明 コンサートホール)
会員制のコンサートホール盤ですが、終曲がとても感動的です。他にベルニウス盤(1990)を聴きましたが、この感動は得られませんでした。
★バッハ
平均律第1集
リヒテル(P)(1970 ハルモニアムンディ)
バッハはクラヴィーア作品にいいものが多い。管弦楽組曲、ブランデンブルク協奏曲などの管弦楽作品も良いのですが、愛聴盤というほどのものはありません。リヒテルの技巧が冴えます。
ゴールドベルク変奏曲
グールド(P)(1981 CBS/SONY)
奇人グールドの言わずと知れた名盤です。
★モーツァルト
交響曲38番「プラハ」
アーノンクール〜ヨーロッパ室内管(1993 TELDEC)
モーツァルトの交響曲中、これが一番好きです。オリジナル楽器による演奏
交響曲40番
ヴァント〜北ドイツ放送Sym(1994 RCA)
ヴァントは晩年になってとても良い演奏をするようになりました。とてもエレガントです。
ピアノ協奏曲21番
アンダ(p)〜ザルツブルク・モーツァルテウム管(1965 GM)
モーツァルトのピアノコンチェルトは最高です。アンダ弾き振りの小気味よい演奏
ピアノ協奏曲23番
ポリーニ(p), ベーム〜ウィーン・フィル(1976 GM)
第2楽章が天国的な美しさです。

次の映像はダニール・トリフォノフというロシアの若手が、2011年アルトゥール・ルービンシュタイン国際ピアノマスターコンクールで優勝した時のものです。第2楽章では、楽団員がうっとり聴き惚れています。


ピアノ協奏曲26番「戴冠式」
グルダ(p), アーノンクール〜ロイヤル・コンセルトヘボウ(1983 TELDEC)
古の宮廷音楽はかくあったのか、を彷彿とさせる。いい演奏です。
ピアノ協奏曲27番
バックハウス(p), ベーム〜ウィーン・フィル(1955 LONDON)
この曲も好きです。演奏は最善とは思っていませんが、今のところこれが一番かと
ピアノ・ソナタ11番
バレンボイム(p) (1984 EMI)
うっとりするような美しさ
レクイエム
ベーム〜ウィーン・フィルハーモニーOrch(1971 グラモフォン)
ベームサウンドが上品過ぎて、もの足りなさもありますが、今のところこれです。ところでこの作品、完成間近にモーツァルト自身が死んでしまい、最後をナントカ言う弟子が書いていてドッチラケるのですが、その部分を除けば素晴らしい音楽です。
★ベートーヴェン
交響曲1番
ブリュッヘン〜18Cオーケストラ(1884ライブ フィリップス)
オリジナル楽器による軽快で輝かしい演奏
交響曲3番「英雄」
ショルティ〜シカゴ響(1972-4 ロンドン)
3番は満足のいく演奏が無いが、今のところこれが1番
交響曲4番
クライバー〜バイエルン国立Orch(1982ライブ オルフェオ)
力強さに溢れた演奏。この演奏を聴くと、4番がいい曲だとわかる。
交響曲5番「運命」
フルトヴェングラー〜ベルリン・フィル(1947ライブ GM)
戦後の荒廃したベルリンで演奏された、感動の物語。
交響曲6番「田園」
ワルター〜コロムビア響(1958 コロムビア)
いまや伝説となったサウンドがすばらしい。
交響曲7番
クライバー〜バイエルン国立管(1986 来日ライブ)
NHK放送での録画、クライバーの踊るような演奏はライブならでは。この組み合わせはCD、DVDでいくつも出ている。
交響曲9番「合唱」
フルトヴェングラー〜バイロイト祝祭管
戦後始めてのバイロイト音楽祭初日の歴史的名演。
ピアノ・ソナタ「悲愴」、「月光」
ギレリス(P)(1980 GM)
余裕のギレリス、素晴らしい演奏です。私は「月光」をこよなく好きなのですが、作品の美しさ・情熱が、完璧なテクニックからいとも軽々と表現されていると感じます。
★シューベルト
交響曲「未完成」
シノーポリ〜フィルハーモニア(1983 GM)
未完成にはいい演奏が多くありますが、シノーポリのノーマルでゆったりしたテンポがよい。何分作品が未完成なので、最後はぐらかされてしまうのが、この曲の欠点ではありますが。
交響曲8番(旧9番)「ザ・グレート」
ブロムシュテット〜NHK響(2008.01、N響定期公演)
プロムシュテットは老いて円熟の人らしい。今までの楽譜と違うテンポに基づいているそうで、最終楽章では楽団員もノリノリだったように感じた。次点はベーム〜ベルリン・フィル(1963 RESONANCE)。
歌曲集(特に「岩の上の羊飼い})
アメリング(Sp),デムス(P),DEINZER(Cl)(1965,7HARMONIA MUNDI)
アメリングの歌声がこよなく美しい。岩の上の羊飼いはあまり知られていないかもしれないが、すばらしい作品です(アルバムはシューベルト/シューマン歌曲集)
アルペジオーネ・ソナタ
マイスキー(Vn), アルゲリッチ(P)(1984 PHILIPS)
とてもエレガントな曲・演奏です。
★ベルリオーズ
幻想交響曲
モントゥー〜ハンブルク北ドイツ放送響(1964? コンサートホール)
夢ごこちの中で繰り広げられる世界、を堪能できるような演奏。モントゥー最後の演奏と伝えられます。次点として、ミュンシュ〜パリOrch(1967 EMI)。
交響曲「イタリアのハロルド」
プリムローズ(Vo), ミュンシュ〜ボストン響(演奏年不明 RCA)
実質的なビオラ・コンチェルト。ミュンシュ−ボストンコンビのまあまあな演奏。他に同じ演奏による交響曲「ロミオとジュリエット」の作品が好きなのですが、中だるみの激しい曲なので、お奨めはできません。
★ブラームス
交響曲1番
ミュンシュ〜パリ管(1968ライブ EMI)
ミュンシュが最後の情熱をそそいだ名演
交響曲4番
シューリヒト〜バイエルン放送響(演奏年不明 コンサートホール)
この盤でブラームスが、強いてはクラシックが好きになりました。クライバー〜ウィーン・フィルハーモニーOrch(1980 GM)を次点としておきます。結構似たような演奏です。
ピアノ協奏曲2番
リヒテル(p), マゼール〜パリ管(1969 セラフィム)
リヒテルの力強く情緒に富んだ演奏
★メンデルスゾーン
真夏の夜の夢
クレンペラー〜フィルハーモニアOrch(1960 EMI)
叙情あふれる演奏です。同梱の「フィンガルの洞窟」もなかなかいいです。
ヴァイオリン協奏曲
アンネ・ゾフィー・ムター(Vn), クルト・マズア〜ライプチヒ・ゲバントハウスOrch.(2008ライブ)
NHKが放送した録画です。アンネ・ゾフィー・ムターのエレガントな演奏がしびれます。
★ヴェルディ
歌劇「ドン・カルロ」
ショルティ〜コペントガ-デン王室歌劇場Orch,ベルゴンツィ,テバルディ,ギャウロフ,フィッシャ-=ディスカウ他(1965 LONDON)
リゴレット・椿姫も好きですが、ドン・カルロをもっともよく聴きます。
★ビゼー
歌劇「カルメン」
クライバー〜ウィーン国立歌劇場Orch.&Cho.(1978)
クライバーの華麗な指揮姿が見れます。もう最高!(カルメン)エレナ・オブラスツォワ、(ドン・ホセ)プラシド・ドミンゴ、(エスカミーリョ)ユリ・マズロク、(ミカエラ)イソベル・ブキャナンの面々。

★チャイコフスキー
交響曲第4番
セミョーン・ビシュコフ〜NHK響(2010定期公演)
4番をこれほど緊迫感のある演奏で聞いたのは初めて。
交響曲第5番
ヴァント〜北ドイツ放送Sym(1994ライブ RCA)
非常にゆったりとしたテンポながら、ロシアの大地を彷彿とさせるヴァント。緊迫感と大興奮のムラヴィンも捨てがたいのですが。
交響曲6番「悲愴」
シノーポリ〜フィルハーモニアOrch(1989 GM)
堂々の迫力、シノーポリらしい無理の無いテンポがよい。ムラヴィンを超える悲愴だと思います。シノーポリの演奏って、ベームの重厚さにシャープさが加わったような感じです。2001年4月に亡くなってしまった(若干50何歳かで)そうですが、何とも惜しいです。
ピアノ協奏曲1番
アルゲリッチ(p), コンドラシン〜バイエルン放送Sym(1982ライブ PHILIPS)
アルゲリッチ&コンドラシンのスリリングな演奏
ヴァイオリン協奏曲
チョン(Vn), デュトワ〜モントリオールSym(1982 DECCA)
デュトワの伴奏っていいと思います。チョンの演奏と相まって、チャイコがとてもエレガント。
バレエ音楽「白鳥の湖」
モントゥー〜ロンドン響(1962 PHILIPS)
ハイライト版ですが、なかなか良いです。
★ショパン
ピアノ協奏曲1番
アルゲリッチ(p), アバド〜ロンドン響(1968 GM)
自由奔放、流れるような演奏。この演奏を聴くと、他が全然つまらない。
ピアノ・ソナタ3番
アルゲリッチ(P)(1967 GM)
やはりアルゲリッチです、素晴らしいの一言
★ドヴォルザーク
交響曲8番
ミュンシュ〜ボストン響(1961 RCA)
ボヘミアの田園風景をメランコラリックに聴かせてくれる。副題に「イギリス」と付ける盤があるが無意味です(この盤では付けていない)。
交響曲9番「新世界」
ケルテス〜ウィーン・フィルハーモニーOrch(1960 LONDON)
伝説的名演と言っていいのではないでしょうか
★グリーグ
ピアノ協奏曲
ルプー(P), プレヴィン〜ロンドンSym(1973 LONDON)
最善とは思わないが、無難なところでしょうか
ペール・ギュント
アメリング(Sp), デ・ワールト〜サンフランシスコSym(1982-3 PHILIPS)
ノルウェーの郷土色豊かな劇音楽の抜粋盤。オケは少々おとなしいが、アメリングのソプラノが絶品。
★リムスキー=コルサコフ
シェエラザード
チェリビダッケ〜ミュンヘン・フィルハーモニーOrch(1992 METEOR)
知られざる名演と言ってよいでしょう。チェリビダッケという人はレコーディングしない人なので、海賊盤的なCDですが、最高なのです。
★プッチーニ
歌劇「トウーランドット」
エレーデ〜ローマ聖チェチーリア音楽院Orch,ボルク,テバルディ,デル・モナコ他(1955 LONDON)
プッチーニのオペラ中最高の出来でしょう。中国のイメージにだいぶ違和感があるので、どこか全然知らない国の物語として聴くことにしています。ドラマチックで全編を通して飽きることなく聴くことができます。
★ラフマニノフ
ピアノ協奏曲2番
リヒテル(P), ザンデルリンク〜レニングラー・フィル(1955 メロディア)
ラフマニノフは技巧を要求するので、こういう超絶的な演奏でなければなりません
ピアノ協奏曲3番
アルゲリッチ(p), シャイー〜ベルリン放送響(1982ライブ フィリップス)
流麗にこなしています、アルゲリッチ
★サン=サーンス
交響曲第3番
ミュンシュ〜ボストンSym(1959 RCA)
なかなかいいです
★シベリウス
交響曲第2番
ブロムシュテット〜NHK響(2008.1定期公演)
シューベルト・ザ・グレートと同じ定期公演の演奏。ブロムシュテットは今まで知らなかったけれども、市販のシベ2が感動が薄い中、これは非常に良かった。老いて円熟の人なんでしょうね、ブロムシュテット。
★ストラヴィンスキー
春の祭典
ブーレーズ〜フランス国立放送局管(1964? コンサートホール)
強烈な演奏で、これ以上のものは無いと思います。次点として、セミョーン・ビシュコフ〜NHK響(2010定期公演)も良かった。
結婚
ブーレーズ〜パリ国立オペラ座管(1966? コンサートホール) 
春の祭典と同じ劇音楽です。強烈な個性のブーレーズで、これまたコンサートホール盤。この曲が春の祭典以上に素晴らしく聞こえるのです。他の市販盤では、いいものにお目にかかっていません。
★ショスタコービッチ
交響曲第5番
ハイティンク〜アムステルダム・コンセルトヘボウOrch(1981 DECCA)
最善とは思いませんが、無難なところでしょうか
ピアノ協奏曲第1番
アルゲリッチ(P)、フェルバー〜ハイルブロン・ウェッテンベルグ(1994 GM)
指揮・オケは聞き慣れないのですが、現代風の鮮烈な演奏をしています。曲はピアノとトランペットのための協奏曲で親しみやすい。アルゲリッチの演奏はもちろん華麗。
★オルフ
カルミナ・ブラーナ
小澤征爾〜ベルリン・フィルハーモニーOrch(1988 PHILIPS)
これだ、と思っているわけではないが、無難なところでしょうか